売上予測・立地調査・商圏分析 ― 店舗の出店・開業・起業をサポートします ― お店の立地ドットコム

売上予測・立地調査・商圏データ/店舗の出店・開業・起業をサポートするお店の立地ドットコム
ホームメルマガ読者限定コンテンツはじめての方へ著作権について運営会社:ソルブ


立地用語・専門用語
立地用語 商圏
目的来店と衝動来店
距離感
マーケットポテンシャル
オフィス性
営業力・商品力
道路種別
交差点角地
看板色彩
ピークカット
物理的高低差

専門用語 売上予測
実査
立地評価
重回帰分析
相関分析
物件比較法による立地判定
ハフモデル
時系列分析

視界性評価
動線視界性評価
インカーブ・アウトカーブ
融合現象

競合評価
ベストポイント
TG(トラフィックジェネレーター:交通発生源)
動線評価
通行量と交通量
主動線と副動線
IN/OUT

閉鎖商圏
商圏分断と商圏制約
IC(インテンショナルクラスター:供給集合体)
PC(ポテンシャルクラスター:需要集合体)

顧客吸引率
市場拡大係数と競争力係数
商圏浸透度係数と商圏内売上構築率(SBR値

マッピングシステム

 
商圏
人々は、店舗に「目的来店」する場合と「衝動来店」する場合がある。
商圏とは、通常、前者の「目的来店」する範囲(目的来店商圏)を指す。人々の目的来店する範囲は通常5分である。徒歩客ならばその範囲は、時速3km×5分=250mであり、自転車客なら、時速12km×5分=1kmくらいであり、自動車なら、時速30km×5分=2.5kmである。すなわち、商圏は、来店手段が何かによってその範囲が異なる。
商圏は、その規模として、人口や昼間人口を知り、また質として、年齢構成比率、学生比率などを知ることが最低限必要である。
このページのトップに戻る
 
目的来店と衝動来店
その店が主目的で、ほかの目的がなくてもわざわざ来店してくれる場合が目的来店であり、ほかに目的があってそのついでに来店する場合が衝動来店である。
 対象顧客に、目的来店が多いのか、衝動来店が多いのかによって、出店する場所はおのずと異なる。
例えば、コンビニエンスストアには3000品目以上の商品があるが、それらのうち1つでも欲しいものがあれば、それが来店動機となる。つまり、コンビニには、3000以上の来店動機があることになる。これは、目的来店をうながすに十分な数である。
逆に、専門店や飲食店などは多くの場合、単一もしくは少数の来店動機しか持ちあわせていない。
従って、目的来店を待っているだけでは売上げは上がらず、商売が成り立たないことは言うまでもない。衝動来店による売上げがどうしても必要なわけである。
目的来店なら、実質的な商圏は徒歩または車で3分ないし5分の時間距離の範囲をしっかり調査しておかなければならない。衝動来店なら、TGとその規模がポイントである。TGをしっかり押さえておく必要がある。
このページのトップに戻る
 
距離感
人々が来店する距離は、どんな業種業態であれ、50坪から200坪くらいの規模を有する店ならば、ほとんど共通している。
5分が標準である。車客なら、これはおよそ2kmから2.5kmであり、徒歩客なら250mから300mである。商圏外にIC(供給集合体)TG(交通発生源)があったりすると、これがそれぞれ1km、200mほど拡大することが知られている。
しかしながら、同じ距離でも、渋滞や信号待ちなどで7〜10分かかる場合、人々は距離が長いように感じる。これが人々が抱く「距離感」である。すなわち、実際の距離より長く感じたり短く感じたりする。これは、実査によって検証しておかなければならないことである。
距離感の例として、ほかには「信号待ち」の時間が挙げられる。これは、赤信号が青に変わるまでの時間が1分30秒を超えると、人々は突然すごく長い時間に感じるようになる。たった15mしかない横断歩道も100mに感じてしまう。商圏が狭い店舗では、この点を特に注意する必要がある。
このページのトップに戻る
 
マーケットポテンシャル
立地の良否を判定する上で重要な視点は、マクロの立地条件とミクロの立地条件である。マクロを代表する条件が、マーケットポテンシャルといわれるものである。
このマーケットポテンシャルとは、平たく言えば、店舗周辺でどれだけの需要が見込まれるかということを数字で表したものである。
「商圏人口」「ターゲット年齢層の人口」「可処分所得の割合」、あるいは「○○についての消費購買率」のような数字で表現されることが多い。しかし、これらの数字は、マーケットポテンシャルについて、そのおおよその目安を表現しているに過ぎない。立地の判定についてダイレクトに役立つマーケットポテンシャルは、商業集積にかかわる統計である。より具体的に言うならば、500m圏内年間小売販売額や、年間飲食販売額である。これらの数値の範囲は、前者なら50億円から5000億円、後者なら0から300億円である。こうした数字を調べた上で、前者で500億円以上なら大きな売上加算が見込まれると判断してよい。
このページのトップに戻る
 
オフィス性
周辺にもっぱら事業所や工場、官公庁ばかりがあるような地域を、オフィス性が高い地域という。
こうした地域では、もっぱら従業員(サラリーマン)を対象にしたビジネス(例えば居酒屋や床屋・本屋)には適しているが、通常のビジネスでは危険な立地である。
なぜなら1カ月のうち、土・日・祝日の需要が極めて低くなるからである。せいぜい稼げるのは22日であり、通常の地域に比べ売上げは30%も低くなってしまう。
オフィス性の高い場所で忘れてはならないのが、高層ビルなどに代表される非商業ビルである。地下街や商業階と称される階層での出店は十分注意を要する。
このページのトップに戻る
 
営業力・商品力
営業力が高いとは、第1に、商品の鮮度・魅力度・品揃え、ブランドなど商品そのものに起因する商品力が高いこと、第2に、店長の経営力やサービスの質が高いなどの商品以外の心的レベルが高いこと、この2面の総合力を指す。では、店舗売上げに対して、立地による売上げとこの営業力が高いことによる売上げとは、どのくらいの割合か。多くの検証の結果、これはだいたい7対3であることが分かっている。つまり、一度出店してしまうと売上げの7割が決まってしまうということである。
逆に言うと、営業力を現状の2倍にしたとしても、30%売上げを伸ばすのが限界ということである。立地を軽視すると、もっと売上げがとれるのに、みすみす低い売上げに甘んじることになる。
このページのトップに戻る
 
道路種別
道路の種別は主に2通りの分類法がある。
第1は、管理している行政によって分類する方法である。
高速自動車国道・都市高速道路・一般国道・主要地方道(都道府県道)・主要地方道(市町村道)・一般都道府県道・一般市町村道・そのほかの道路である。
一般的に、国道沿いは道路の道幅が広く車線数も多い。加えて、大型車が多く視界を妨げ、車のスピードも速いため、交通量が多い割に実際の来店率は著しく低くなる傾向がある。そのため、多くの業種業態にとってあまり望ましい立地ではない場合が多い。
ただし、大型交差点や間口の広いアウトカーブ外側立地やインターチェンジ付近は、スピードも緩やかであり、格段良好な立地であることが多い。
第2の分類は、乗用車比率で分ける方法である。
(1)物流道路(平日乗用車比率40%以下)、(2)商流道路(同50〜60%)、(3)郊外生活幹線道路(同70%以上)、(4)旧市街地生活道路(同60%以上、歩行者多し)である。
一般に、乗用車比率が高いほど多くの業種業態に向いていることは言うまでもない。特に、ファミリーを対象とした業種の場合、物流道路は避けるべきだろう。
このページのトップに戻る
 
交差点角地
交差点角地は、一般的に立地が良いといわれている。それは、(1)車が数分間隔で停車するため、ドライバーの視界が拡がる、(2)複数の道路が交差することで、多方向の地域からのアクセスが可能になる、からである。
しかし、交差点なら何でもいいかというとそうとはいえないので注意を要する。
まず、交差点の規模によって異なる。交差する道路の種類が、国道や都道府県道である場合が最も大きい交差点である。そして、道路が両方通行であるか否か、車線数がいくつあるか、道路幅が6m以上であるか否か、信号があるか否か、横断歩道があるか否かによって、交差点の規模が異なる。
次に、交差点における物件の位置が重要である。交差点における角地は、一定の範囲はインアウトができない。従って、間口が取れているか、側道や裏道による補助のインアウトができるかなどが重要になってくる。
このページのトップに戻る
 
看板色彩
一般に看板の色彩は、赤が良いといわれている。しかし、これは既にあまり通用しなくなった。
多くの看板が林立する街中や街道筋は、どの看板も見慣れてしまい、人々の多くは、どんなに明るい赤を使った看板といえども、それを独立した認知しやすい看板とは見ない。「看板は赤いものだ」「興味のない看板は見ない」という心理が働いているからだ。
少なくとも赤色系の看板を使う場合は、周辺に似たような赤色系の看板がないことが条件である。もし似たような看板が多数林立している場合は、赤色系の看板は避けるべきである。
ではどうしたらよいか。色彩での差別化ではなく、フォルム(形態)や動き、内容のシンプルさを十分検討すべきである。
このページのトップに戻る
 
ピークカット
これは、売上げの最も高くなる時間帯において、せっかくお客が来店しているにもかかわらず、従業員が不足、品揃えの欠品がある、開放レジが少ない、接客の仕方が不適切などのためにお客が帰ってしまい、本来の売上げがとれていないことを言う。
機会損失の一種であるが、ピークカットの場合、文字どおりピークの時間帯における現象を指している。
このピークカットは、人的なことばかりが要因ではなく、建物あるいは土地の構造によって起きることが知られている。店の間口が狭いこと、面積が狭いこと、店舗が地階にあることなどの要因が、ピークカットを引き起こしやすい。売上げを十分取りきれるようにこうしたピークカットが起きないような物件選びが必要である。
このページのトップに戻る
 
物理的高低差
店舗が、坂の頂上にある場合と下りた場所にある場合とでは立地は異なる。立地は後者が有利である。
なぜなら、水が高きから低きに流れるように、人々が通る道路も高い場所から降りてきて低い場所で合流する構造だからである。ただし、この物理的高低差は、ドライバー対象の立地ではあまり問題にされることはない。もっぱら徒歩客の場合に注意すべきである。
このページのトップに戻る
 
売上予測
立地上の重要な要素を調べ、数値化し、分析し、方程式にすることによって、はじめて新店の売上予測ができる。
古典的な方法としては、「ハフモデル」というものがあるが、これは、店舗周辺のミクロの条件(道路の状況、視界性評価、動線評価など)をほとんど考慮しないモデルであるため、精度は著しく低いことが多い。最近では、そうした問題をクリアするために、重回帰モデルが登場している。これは、既存の店の売上げが分かっている場合に限り、作ることができるモデルである。
ただし、このモデルの構築には、「実査」や「仮説検証」という科学的思考法が不可欠であり、既存の店舗数が30店舗以上ある必要がある。
このページのトップに戻る
 
実査
売上予測をするための実地調査を実査という。実査は、売上げに関する大きな要因に絞って調査する。中でも、重要な要因は、商圏の規模、商圏の質、PC(需要集合体)IC(供給集合体)TG(交通発生源)動線評価視界性評価動線視界性評価IN/OUT評価、競合評価などである。
こうした評価をチェックリストやチェックマニュアルに従って実査する。本部の店舗開発担当者や店舗オーナー希望者は必ずこの実査を行なうことが、売上予測の常識である。
このページのトップに戻る
 
立地評価
広義の「立地評価」というとき、それは商圏の規模や商圏の質などの要素を含むこともあるが、通常は、狭義の「立地評価」を指す場合が多い。この場合、店舗の視界性評価IN/OUT評価、動線評価、間口評価、面積評価等を指し、店舗自体にまつわる立地上の長所と短所を評価することである。
当然ながら、これらの評価が高ければ立地評価が高く、売上げも高いことが分かっている。
ただし、立地評価が低い場合で、売上げが高いこともまれにある。商品力、サービス力、販売促進力などの営業力が大きい場合である。同じ営業努力をするならば、立地評価が高い店舗を選んだほうが良いのは当然である。
このページのトップに戻る
 
重回帰分析
売上げと相関関係が高い幾つかの指標を組み合わせて売上予測することができる。この組み合わせを見つけるには、重回帰分析といわれる統計手法を用いると良い。
今では、その計算ソフトが、マイクロソフト社の表計算ソフト「エクセル」やロータス社の「ロータス1・2・3」に標準装備されている。これを用いると、さまざまな立地指数の中からベストの組み合わせを見つけることができる。
ただし、どういった指標を見つけることができるか、それらの指標をどうやって数値化するか、基準をどうするかは示してくれないので、これは開発担当者または分析者の能力いかんにかかっている。
重回帰分析を用いていない売上予測手法や、用いていてもサンプル数が20店舗以下だったりする場合は、予測としての信頼度は著しく低い。
重回帰分析の精度は、「重相関係数」で表現され、相関分析での「相関係数」と同じように1に近いほど精度が高いとされている。
しかし、売上予測に重回帰分析を使う場合、正確なデータを集め、正しい分析を行えば、重相関係数は0.8〜0.85の値を得る。0.6〜0.7ならば、データや分析が不足している。逆に、0.9を超えるのは、サンプルが少ないか、誤った分析をしていることが大きな原因である。
経験的には、サンプル数50店舗以上で、0.8程度の重相関係数をもった売上予測方程式ならば、実戦的にほぼ90%以上の精度で売上予測ができる。0.8未満でも、0.9を超えても、実戦的に役に立たない。
このページのトップに戻る
 
相関分析
「相関」は一般的によく使われる言葉であるが、厳密な統計学の用語でもある。売上予測をするには、店舗の売上げに最も相関のある立地指標を探し出さなければならない。
相関が強いかどうかを数字で表したものが、相関係数である。
この相関係数は、マイナス1からプラス1までの値をとる。マイナス1やプラス1に近いほど「相関が強い」とされ、0に近いほど「相関が弱い」と表現される。
交通量(通行量)や商圏人口について、相関係数を求めるとたいてい0.3〜0.4くらいである。従って、交通量や商圏人口だけでは売上予測ができないことが分かる。
この相関が1.0に限りなく近いひとつの立地指標を見つけることができればよいのだが、残念ながらそうした魔法のような指標は見つかっていない。
このページのトップに戻る
 
物件比較法による立地判定
売上予測とは、既に多くの既存店がある場合(20店以上)は、その既存店をサンプルにして数字モデル(方程式)をつくり、理論値を計算することである。
しかし、まだ事業として立ち上げたばかりであり、十分な店数がない場合はどうするか。
この場合の売上予測には、物件比較法による立地判定が有効である。商圏の規模、商圏の質、視界性評価動線評価競合性評価、建物評価の6種類について、既存店(最低3店舗)と物件を比較した表を作成することである。この比較表をつくる際に重要なことは、必ず数字(評価値)を記入することである。
○×△のような記号や、コメントのような文字などは極力記入しないほうが後々のために役立つ。
このページのトップに戻る
 
ハフモデル
コンピュータを用いて売上予測をする古典的な手法である。元は、米国の経済学者デービッド・ハフ博士が開発したものである。これは、人々の購買行動の確率をある仮説に基づいて計算し、その確率の高さによって売上げを予測しようというものである。
その仮説とは、「人々は、店舗の魅力度が高ければ高いほど来店確率が高い、人々は、店舗までの距離が遠ければ遠いほど来店確率は低くなる」というものだ。
しかし、このハフモデルによる売上予測方法には、その限界が以前から指摘されている。
第1に、店舗の魅力度を数値化することが困難であるため、店舗面積や駐車台数で代用せざるを得ない。そのため、大規模な商業集積でないと近似しにくい。端的に言うと、飲食店やテナント店、小規模の店舗の売上予測には適用できない。
第2に、日本の場合、道路や鉄道という複雑な構造が人々の行動に大きな影響を与えるため、単純に距離を設定することに意味がない。
第3に、競合店の問題やミクロの立地の問題(視界性評価やインアウト評価)などが取り入れられない。こうしたことが原因で、日本においては的確な予測ができないのが実情である。経験則の方が精度が高いと言われる始末である。
さらにこのモデルでは、計算する地域全体の購買需要は一定と見なしており、新たな購買需要を掘り起こす新規ビジネスには適用できない。
こうした難点があるにもかかわらず、日本では30年来通産省推奨の売上予測手法とされてきた。
ただ、近年「ドライブ商圏」(交差点間の運行速度をデータにして自動的に時間距離を算出するプログラム)というマッピングシステムツール、あるいは「ネットワーク距離」という概念が生まれてきており、こうした技術による改善がなされる可能性もある。
このページのトップに戻る
 
時系列分析
店舗の売上げは、月によって、あるいは季節等によって5〜10%程度の変動がある。また、店長やオーナーの努力によって大きく増加することも経験されることである。
しかし、オペレーションが高度に均質化・標準化されたチェーン店では、店の売上げが10%以上変化する現象は、月商500万円クラスの店を除くと、めったにみられない。
ただし、月の売上げは年間を通して一定ではないことも確かである。これは、(1)「基本となる売上げ」に対して、(2)時とともに緩やかに伸びていく売上げ(T:トレンド)、(3)半年ないしは数年のサイクルで上がったり下がったりする売上げ(C:サイクル)、(4)月ごとによって変化する売上げ(S:シーズナル)、(5)その月だけの特別な売上げ(I:イレギュラー)の5種類が作用しているからと考えられる。
T・S・C・Iは、数字で正確に算出することができる。EPA法と呼ばれる手法である。
売上予測では、(1)の「基本となる売上げ」を予測するのである。
従って、売上予測モデルをつくる場合、時系列分析をしてこの基本となる売上げを算出するところから始めなければならない。
単なるおおざっぱな売上げをもとにすれば、おおざっぱな売上予測しかできない。
このページのトップに戻る
 
閉鎖商圏
川や高い丘陵、大きな幹線道路等によって、約500mから1kmの範囲で物理的に閉鎖されたようになっているエリアに出店した場合、このエリアを閉鎖商圏と呼ぶ。閉鎖商圏は、決してめずらしい現象ではない。東京都心などの大都市でも随所に見られる。
閉鎖商圏は文字どおり住民の移動が限られているため、きわめて特殊な現象が見られる。第1に、この中でも最も大きなTGに向かって人々が動くため、強い動線が発生することである。第2に、需要と供給のバランスが取れていない場合、爆発的な売れ方をすることがある。第3に、ベストの立地すなわちベストポイントを押さえていなかった場合、競合店の出現によって大きな影響を受けてしまうことである。第4に、一度売上げが下がると、その売上げを回復するのは至難の技である場合が多い。すなわち、閉鎖商圏は店舗の実力が否応なく見えてしまう商圏だといってもよい。
閉鎖商圏はビジネスチャンスも大きいが、リスクも非常に大きい商圏だ。
このページのトップに戻る
 
商圏分断と商圏制約
店舗の周囲に河川や大きな道路があり、明らかに人々がそこを横断してこない場合、「商圏分断が起きている」という。
5分で行ける範囲で、この商圏分断が起きていると人々が来店しないわけであるから、当然そこからの売上げは低くなる。この商圏分断を厳密に定義したエリアを特にサブジェクテリア(主体商圏)と呼ぶ。
これは、人々(顧客)が自店舗に来店する可能性のあるエリアであり、開店後重点的に販売促進活動を行う必要のあるエリアである。
これに対して、実際に顧客アンケートなどで調査した結果得られる商圏は、オブジェクテリア(対象商圏)と読んで区別する。たいていの場合、オブジェクテリアはサブジェクテリアよりも小さくなる傾向がある。
これは、商圏内の競合店や自店舗の活動制限などに起因している。こうしたことが見られる場合、「商圏制約が起きている」と表現する。
衝動来店よりも、目的来店を主眼としている業種業態(コンビニなど)には、この商圏制約が強く現れるので、「競合分断」と表現することがある。
このページのトップに戻る
 
IC(インテンショナルクラスター:供給集合体)
商圏の内外において、人々が購買行動を集中して起こす場所または地域がIC(アイシー)である。いわゆる商業集積地、すなわち商店街やショッピングセンター、観光地、大型レジャー地域などがこれにあたる。ICでは、一般的に小売販売額が年間200億円以上、飲食販売額が同20億円以上である。
こうした数値は、統計的に公表されているが、レジャー施設などは実際に利用者数などを聞き、その規模を把握する必要がある。年間来場数は、100万人が一応の目安となる。
このページのトップに戻る
 
PC(ポテンシャルクラスター:需要集合体)
商圏の中で特に重要な場所がある。高層住宅群、公団住宅群、建売住宅群、新規開発住宅群、工場・倉庫集中就業地区、高層ビル就業地区などである。
こうした、人々が密集して住居を構えていたり、就業者がとりわけ集まっていて大きな需要が望まれる場所または地域を、ポテンシャルクラスター(需要集合体、略してピーシー)という。
こうしたPCが商圏内にある場合、このPCから店舗へアクセスしやすいことが立地上重要になってくる。
このページのトップに戻る
 
TG(トラフィックジェネレーター:交通発生源)
店舗に高い売上げを期待するには、PC(需要集合体)IC(供給集合体)との位置関係が重要な要件である。
人々は、日常の行動の中で何らかの交通手段を用いているため、必ずそれらを結ぶ核となる場所が存在する。電車を使う場合は駅、自家用車なら大型交差点がそれにあたる。人々が集中的に出会い交差する場所である。あたかも、この場所から交通が発生しているように見えることから、このような場所をTG(ティージー:交通発生源)という。
TGには、駅や大型交差点ばかりではなく、徒歩の人々なら百貨店や大型オフィスビルの出入口、車ドライバーならインターチェンジや大型橋のたもとなどがある。
このページのトップに戻る
 
動線評価
TGが、店舗周辺に複数ある場合、特に一方のTGが駅であったりする場合に、TGとTGを結ぶ人々の流れを立地理論では「動線」と呼ぶ(単なる人々の流れと思っている人がいるが大きな誤りである)。
この動線に、店舗が面しているとき、「動線評価が高い」とか、「動線上にある」と表現する。徒歩客を相手に商売するとき、この動線評価は特に重要である。動線から、ほんの10m外れた場所にあるだけで、売上げが半減することはしばしばある。
このページのトップに戻る
 
通行量と交通量
通行量と交通量は混同して用いられることが多いが、本来は、主に「徒歩」で通過する人々の数の場合は通行量、主に「車両」の通過する数の場合は交通量のように区別する。
また、通行量(または交通量)を測定し、この値を使って売上予測にダイレクトに反映させようとする人が多いが、これは誤りである。
通行量と売上げとの相関は低く、通行量が多いからといって売り上げが高いとは限らないし、逆にほとんど通行人がいないにもかかわらず、高い売上げを獲得している店は多い。
通行量は、売上げが高くなるか低くなるかの一つの目安に過ぎない。このことは、どんな業種業態にも共通したいわば実証原理である。もし、通行量をもとに算出した売上予測や事業計画を目にしたならば、まず疑ってかかるべきである。
通行量は、その商圏の特性、例えば女性比率、乗用車比率、時間帯別比率、流入比率あるいは周辺との動線の優劣などを知る指標として測定する。これが正しい用い方である。
女性比率は、通行人における女性の比率であるが、この比率は通常0.4前後である。0.3程度であれば、オフィス性が高い。0.5以上であれば、その周辺は多くのビジネスにとって有利である。
乗用車比率は、全体の交通車両数からバス・トラック・タクシーの車両数を除いた交通量、すなわち自家用車や商業車の数の割合を全体と比較したものである。
これは、平日で0.6から0.8くらいである。これより少ない場合は産業道路、これより大きければ生活道路ということになる。
流入比率とは、車両を地元のナンバーと地元以外のナンバーに分けて測定した場合、後者の比率を指す。この比率が高ければ、遠くからの流入が多く、低ければ逆であることが分かる。商圏が大きく広がるかどうかの目安にもなる。
このページのトップに戻る
 
主動線と副動線
TG(交通発生源)とTGを結ぶ人々の行動線を動線というが、これには1本の主動線と複数の副動線がある。
主動線とは、TGの最も集中度の高い場所(例えば、大規模小売店の玄関口・ショッピングセンター内フロアのエスカレーター昇降口・大交差点の横断歩道位置・駅の改札口)どうしを結んだ動線である。
副動線とは、一方のTGは裏口などのサブの出入口であったり、規模の小さいTGであったりする場合である。主動線上に物件がある場合はいいが、実は副動線のほうが競合店がない等、条件が良い場合がある。
その一例として、一方が大型小売店の裏玄関で、もう一方がその駐車場である場合がある。もともと、この動線上を行く人々は、その小売店に買物に来るお客であるから、単なる通行人とは異なり、一人ひとりの購買意欲がひじょうに高い。従って、一見すると少なそうに見える通行量であっても十分なポテンシャルを秘めている。
加えて、こうした場所は商店街の裏路地であったり、空き地であったりして、賃料交渉がしやすい場所である場合が多い。
主動線ばかりに目をとらわれず、副動線に物件があるかを見つけることも店舗開発者の重要な仕事である。
このページのトップに戻る
 
IN/OUT
店舗が、ドライバー客を対象とした場合、目的来店を促進するには、店舗への進入のしやすさ(IN)や出やすさ(OUT)が重要である。しかしながら、現実には、来店はできるが、来た方向へ帰ることができない(例えば中央分離帯の存在など)店が多い。また、反対側車線からのINや反対車線側へのOUTのしやすさも重要である。これらが十分満たされていることが、立地の最低条件である。
このページのトップに戻る
 
視界性評価
店舗直前に来て店舗が見えるというのは、当たり前のことである。店舗は、単に「見えればいい」というものではない。店舗から20m以上離れた通行人から3秒以上はっきりと見えることが重要である。ドライバーからなら100m以上手前から見えることである。これらを得点化することが視界性評価である。
視界性評価は、立地評価の中でも特に重要な要素である。
このページのトップに戻る
 
動線視界性評価
視界性評価とは、TG自体からの視界性をいい、動線視界性評価とは、動線上を行く人々からの視界性をいう。
店舗は、必ずしもTGから直接見えるわけではない。例えば、間口が3m以下であったり、看板の表面が通行人の視線に入らなかったという店がある。この場合、動線視界性評価が重要となってくる。多くの店舗ではこの点が見過ごされた設計になっていることが多いが、動線視界性評価を高める工夫は常に心掛けるべきである。
このページのトップに戻る
 
インカーブ・アウトカーブ
店舗が面している道路が、進行方向左側に曲がっているとき、左側を「インカーブ内側」といい、右側を「アウトカーブ外側」という。また、道路が右側に曲がっているときは、左側が「アウトカーブ外側」、右側が「インカーブ内側」になる(下図参照)。
インカーブ内側の立地は、視界性評価の面、そしてインアウト評価において極めて難がある場合が多い。この場合、道路を挟んで店舗と反対側に看板を取り付けたり、間口を広く取るなどの工夫が必要である。
特に、対象が徒歩客よりも車での来店のときは、インカーブ内側の立地は避けるべきである。
アウトカーブ外側の立地は、一般的に、視界性評価、インアウト評価は高い。
しかしながら、カーブの角地が急な場合は注意を要する。道路の曲がる角地が急になるほど、ドライバーの視点移動が著しくなるため、店舗の存在に気がつきにくいという知覚現象が発生するからである。
このページのトップに戻る
 
融合現象
店舗の看板や店舗自体のもつ「形」や「色」が、背景のそれらと似ているために、看板や建物がほとんど認知できなくなってしまう現象を「融合現象」という。
例えば、青や緑の看板は、空の「青色」や街路樹の「緑」によって融合現象を起こしてしまう。従って、多くの店は、赤や黄色、オレンジなどの暖色系看板にしている。しかし、これとても、周りの店や建物が同じ暖色系の看板を出している場合は、融合現象が起きる。
こうした問題を理論的に明らかにしたのが、サイネフェクト理論である。この理論に沿って看板を効果的に作っている店が立地上の優位にたてる。
このページのトップに戻る
 
競合評価
商圏内で競合店の存在は無視できない。競合店の影響は、常に自店との関係で発生する。それは、立地上の比較、営業力上の比較という2つに大別される。
競合店より自店の立地が優れていたり、営業力が優れていれば、その影響力は弱い。逆であれば、影響は甚大である。競合店の中でもっとも影響があるのは、自社競合である。もし同一の立地条件で出店した場合、売上げに最大35%の影響を与えることが分かっている。
このページのトップに戻る
 
ベストポイント
物件を調べる際に、開発担当者が見落としがちなことの一つに、このベストポイントがある。
例えば、動線が同じならば、よりTGに近い物件のほうがよい。従って、周辺を実査することによって、物件より立地条件の優れている別の物件、すなわちベストポイントがあるかどうか、もしあるならば、将来にわたってそのベストポイントが競合店に取得されることがないかどうかを検討しておく必要がある。
徒歩来店を中心とした物件だと、このベストポイントを見つけるのはそれほど難しくはない。
ドライバー客の場合、特にローカルな場合は見落としがちである。物件前が交差点だからといって、必ずしもベストポイントとは限らない。物件から1km以上も離れた場所にベストポイントがあることもあるので、車による綿密な実査が必要である。
このページのトップに戻る
 
顧客吸引率
店舗前をいく人々のうち、どの程度の割合が自店舗を利用しているかを知るのが、この顧客吸引率である。すなわち、来店者数÷通行者数である。この値は、通常0.5%〜3%程度である。
ただし、注意しなければいけないのは、この顧客吸引率で「売上予測」はできないという点である。顧客吸引率は、一つの目安として調査するにとどめるべきである。
このページのトップに戻る
 
市場拡大係数と競争力係数
競合とは、単に顧客の奪い合いをするだけではない。顧客に、より大きな便利性を提供することにもなる。従って、競合店が増えるということは、第1に市場拡大が起きることを意味している。競合店が出店した時の市場拡大の規模を数値化したものが市場拡大係数である。この値は、1店の競合店が出現したとき、通常1.4から1.8の値をとることが分かっている。1.4は自社競合の場合であり、1.8は類似業種店の場合である。
競合店が出店した場合の注目点の第2は、競争力係数があることである。この値は通常0.8から1.2の値をとる。従って、市場拡大が大きくても、自社の競争力係数がその競合店に対して小さいと大きな影響を受け、逆に競争力係数が大きいと反対に自店の売上げが上がるということが発生する。
このページのトップに戻る
 
商圏浸透度係数と商圏内売上構築率(SBR値)
商圏内を小さな区画(例えば町丁目や500m四方)に分けて、顧客アンケートを行うと、それらの区画からどのくらいの割合の人々が来店しているかが分かる。これが商圏浸透度係数である。
区画別に、月間来店人数の比率を計算したものである。この商圏浸透度係数が3%以上ある区画をつなぎあわせたものがオブジェクテリア(対象商圏)である。
そして、このオブジェクテリア(対象商圏)から来店している顧客の割合を計算したものが、商圏内売上構築率(SBR値)である。通常、このSBR値は、0.6〜0.8である。この値より小さい場合は、店舗の売上げはまだ伸びる余地が十分あることを示しており、逆に大きい場合は難しい。
このページのトップに戻る
 
マッピングシステム
デジテル地図と統計データを簡単にリンクさせ、視覚的に表現してくれるコンピュータソフトを指す。
最近は、多くのチェーン企業が活用している。店舗開発担当者が、簡単に商圏の客観的データを収集できるからである。また、既存店と新店との配置関係が瞬時に分かるので、自社競合・他社競合を未然に防ぐこともできる。また、このシステムから得られるデータをもとに、既存店の商圏についての売上分析や顧客分析をすることも可能である。
ただし、売上予測の精度をこれに期待することは禁物である。立地上の条件は無視されることが多いからである。それらは、実査によって補わなければならない。

ホームメルマガ読者限定コンテンツはじめての方へ著作権について運営会社:ソルブ
Copyright 2000-2013. SORB. All Rights Reserved.