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立地に関する素朴な疑問
売上予測の手法や解説
統計データの活用について
  
 立地に関する素朴な疑問

1.立地ってなに?
2.立地の種類
3.通行量が多ければ、いい立地?
4.マクドナルドの隣なら、いい立地?
5.駅に近ければ、いい立地?
6.大型店の近くは、人が集まるいい立地?
7.交差点角地は、いい立地?
 
1.立地ってなに?

お店の売上げを決める要因は、一体何でしょうか?
商品・売り方・店の大きさ・店員のサービスなど、いろいろ考えられます。
しかし、マクドナルドやセブン−イレブンなどのように、売り方や店の大きさが統一されているチェーン企業でも、売上げは店によって大きく異なります。その差は、月商で数百万円から数千万円にもなります。
この売上げの違いを決定付けるものが「立地」です。お店がどの場所にあるか、ということです。お店の立地が悪いと、どんなに優秀な店長が一生懸命やっても、残念ながら売上げは上がりません。だからといって、一度作ったお店を、おいそれと別の場所に移動するわけにもいかないのです。ですから、出店に際しては、慎重に立地を吟味しなければなりません。
 
2.立地の種類

立地の種類は、人々の来店手段によって大きく2つに分けられます。
通行人対象立地とロードサイド立地です。
通行人対象立地とは、主に徒歩と自転車での来店が想定される立地のことです。
それに対して、ロードサイド立地は、主に自動車での来店が想定される立地のことです。
ただし、この2つの立地に、明確な境界線はありません。通行人対象立地でも自動車で来店する人もいるでしょうし、その逆もまた然りです。
また、来店手段とは別に、周辺にいる人々(居住している・働いている・流入してくるなど)によって分ける立地の分類もあります。
具体的には住宅街立地・繁華街(商店街)立地・オフィス街立地・学生街立地・駅前立地・郊外立地・観光地立地などです。住宅街立地・繁華街立地・駅前立地などは通行人対象であることが多く、郊外立地・観光地立地はロードサイドであることが多いようです。

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3.通行量が多ければ、いい立地?

一般的に店前の通行量が多ければ、どこでも好立地であると思いこみやすいようです。
しかし、これは根拠のない神話のようなものです。実際、通行量が少なくても売れている店はたくさんあります。また、反対に通行量が多いのに売れていない店もたくさんあります。
それは、通勤通学路のように毎日同じ人が歩いている道路と、毎日違う人が購買目的で歩いている道路では、同じ通行量でもビジネスチャンスは大きく異なってくるからです。
つまり、立地の善し悪しを判定するには、通行量よりもむしろ、どのような人々が、どういう目的で歩いているかということの方が重要だということです。

通行量をもとに、売上げを予測したり、好立地であると判断することは避けるべきですが、通行量を測定することにまったく意味がないわけではありません。通行量から、その商圏の特性を知ることができるからです。例えば、女性比率・乗用車比率・流入比率などです。

○女性比率(通行人対象立地の場合)
通行人における女性の比率のことです。この比率は、通常0.4前後です。0.3以下であれば、オフィス性向(※)がきわめて高いといえます。オフィス性向があると、売上げの確保はたいへん難しいので、要注意です。0.5以上であれば、その周辺は、たいていの商売に向いていることが分かります。
※その地域に就業や商用など仕事目的で来ている人が多いこと。昼夜の人口差が大きく、お金を使いに来ているのではないため、注意すべき立地です。

○乗用車比率(ロードサイド立地の場合)
全体の交通車両数からバス・トラック・タクシーの車両数を除いた交通量、すなわち自家用車や商業車の数の割合を出したものです。これは、平日で0.6〜0.8くらいです。これより少ない場合は産業道路、これより大きければ生活道路ということになります。通常は、生活道路であるほうが有利です。

○流入比率(ロードサイド立地の場合)
車両を、地元のナンバーと地元以外のナンバーに分けて測定し、全車両に対する後者の比率を指します。平日土曜で0.3前後です。この比率が高ければ、遠くからの流入が多く、低ければ逆であることが分かります。商圏が大きく広がるかどうかの目安となります。

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4.マクドナルドの隣なら、いい立地?

この話は、開業希望者や店舗開発担当者の間では、まことしやかにささやかれているようですが、全く根拠がありません。
そもそも、マクドナルドにも月商数百万円の店から数千万円の店まであるのです。十把一絡げに「そのマクドナルドの隣ならいい立地」とするのは、ずいぶんと乱暴な話です。
また、仮に「そのマクドナルド」がいい立地であったとしても、「その隣」がいい立地である保証もありません。通行人対象立地でもロードサイド立地でも、「一等立地の隣が三等立地」というようなことはよくあるからです。
重要なのは、そのような話を鵜呑みにするのではなくて、なぜマクドナルドの立地が良いかを自分で考えることです。そして、それが自分の調べる物件にも当てはまることなのかを、判断する必要があるのです。
 
5.駅に近ければ、いい立地?

駅や交差点などのように、人々が集中的に誘導・吸引・出入する施設や場所を、TG(トラフィック・ジェネレーター=交通発生源)といいます。立地ではこのTGという概念がとても重要です。このTGと店舗の位置関係や、TGからの店舗の見え方によって、売上げが大きく異なるからです。
駅はTGの中でも、最も人々が集中する施設と言えるでしょう。ですから、一般的には店舗が駅に近いということは、それだけ集中してくる人々を吸引しやすいということになります。
ただし、駅に近ければどこでも良い、という訳ではありません。駅を利用する人々が通る必然性のない場所であったり、全く目に止まらないような物件であれば、そのポテンシャルを吸引する事はできません。
つまり、「駅に近い」といっても、その距離にこだわるよりは、そこを利用する人々の行動から判断することのほうが重要なのです。

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6.大型店の近くは、人が集まるいい立地?

多くの人々が来店する、駅前や郊外にある大型店も、駅同様にTGということができます。ですから、自店舗がこのような大型店の近くにあることは、立地上大きな利点と言えるでしょう。
もちろん、近いだけではダメなのは、駅の場合と同じです。ここでも、人々の行動を見極めることが重要です。さらに、集まってくるならどんな人々でもよい、という訳ではありません。大型店によって、扱う商品は生鮮、ドラッグ、家電など実に様々です。したがって、その店に集まってくる人々の目的も異なってきます。
「自店に来てくれそうな人々が集まってくる大型店」。この近くが、いい立地なのです。
 
7.交差点角地は、いい立地?

一般的に「交差点角地はいい立地」ということが言われています。
ちなみに、立地上の概念としては、交差点角地のほかに、ニアコーナー(角地に隣接する場所)とミッドブロック(交差点から離れた場所)があります。特にロードサイドの場合は、物件がどの立地に該当するかによって、着目すべき点が変わってきます。
交差点角地には、以下のような利点があります。
 (1) 物件手前に道路がある分だけ視界性が良くなる。
 (2) 間口を2辺取りやすく、インアウトが良好になる。
 (3) 交差点が、ランドマーク(立地上の目印)や人々にとってのTG(交通発生源)になる。
ただし、このような利点が活かしきれない交差点もあるので、注意してください。例えば、交差点が渋滞傾向にありインアウトが難しいような場合などです。
どのような物件であっても、思い込みは禁物です。必ず実査で確認してから判断するようにしましょう。

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 売上予測に関する手法について

1.従来の売上予測手法 (1)単純計算法
2.従来の売上予測手法 (2)比較法
3.従来の売上予測手法 (3)ハフモデル法
4.従来の売上予測手法 (4)重回帰分析法
5.新しい弊社の売上予測手法 SORBICS法
6.売上予測とは何か?
7.売上予測が初めから持つ不完全さと蓋然性
 
1.従来の売上予測手法 (1)単純計算法

客席数や店前通行量、周辺人口などに一定の係数をかけて算出する手法です。

●基本式
 (1)月商=客席数×回転率×平均客単価×1ヶ月の営業日数
 (2)入客数=店前通行量×来店率(キャッチ率)

●具体例
 
(1)客席数20席の飲食店で、1日に3回転するとして、平均客単価が1000円、1ヶ月の営業日数が25日だとすると、月商は、20席×3回転×1000円×25日で、150万円という計算になります。

(2)営業時間中の店前通行量が3000人、キャッチ率が3%であれば、入客数は90人という計算になります。

●メリット・デメリット
この手法の良い点は、理解しやすく容易であるということです。したがって、開業出店の入門書などによく紹介されています。飲食店の予測に使われることが多く、FC本部がオーナーに提供する資料などにも、よく見かける手法です。
問題点は、回転率やキャッチ率といった係数の根拠が弱いということです。また、この値を少し変えるだけでも予測値は大きく変わってしまいます。例えば、基本式(1)の例でいえば、回転率を2にするか3にするかで、月商には1.5倍もの差が生じます。
さらに、立地要因を全く取り入れていないため、精度はほとんど期待できません。
ですから、売上を予測するというよりは、オーナーや店長が努力目標を設定するための手法として用いた方がよいでしょう。

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2.従来の売上予測手法 (2)比較法

これは、単純計算法の例を、複数の店舗分集めて比較する手法です。

●考え方
   A店の来客数=通行量A×キャッチ率
   B店の来客数=通行量B×キャッチ率
とした場合、予測物件のキャッチ率はA店とB店のキャッチ率の平均値になると仮定して、予測します。
仮にキャッチ率が変動するとしても、A店とB店のキャッチ率の範囲内と考えます。

●具体的な例
   A店来客数(90人)=通行量(3000人)×キャッチ率(3%)
   B店来客数(100人)=通行量(5000人)×キャッチ率(2%)
既存店のデータが上記のように分かっていて、予測物件の通行量が4000人の場合、予測に用いるキャッチ率をA店B店平均の2.5%とします。
したがって予測来客数は通行量(4000人)×キャッチ率(2.5%)=100人となります。
変動があるとしてもキャッチ率2%〜3%の間に収まると考えますので、
来客予測は下限80人(4000人×2%)から上限100人(4000人×3%)の範囲内となるわけです。

●メリット・デメリット
この手法は、比較表などを使って表現するとイメージしやすく理解が容易になります。
しかし、店舗ごとの立地要因があまり加味されない(上記例では「通行量」のみ)ので、精度は当てになりません。この手法もFC本部などが好んで用いています。

◆<応用>経験則法
比較法の応用として経験則法というものがあります。これは既存店と予測物件を比較する際に、調査者(予測する人)が立地要因を加味する、というものです。
この手法では、経験に基づいて「A店よりは売れる立地だろう」「B店ほどは売れない立地だろう」というふうに判断していきますので、予測値と実績値の大幅な乖離(かいり)を防ぐことができます。
調査者によっては予測を的中させる場合も多いようですが、残念ながら予測結果を記録していないことが多く、統計的な精度を知ることができません。いずれにせよ、調査者個人の経験の豊かさや分析力の確実さが、精度に大きな影響を与えます。

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3.従来の売上予測手法 (3)ハフモデル法

これは、米国のHuff氏が提唱した手法です。「人は、できるだけ近くて、商品力の高い店舗で購買しようとする」という前提に基づき、人々が、周辺の同業店と比べて、どれだけ自店に来店するかを、論理的に求めるものです。

●具体的な計算ステップ

ステップ1
   人々の来店確率=(商品力)^m÷(人々から店舗までの距離)^n
   を自店と周辺同業店について全て算出します。
   商品力には、店舗面積や駐車場台数などを代入します。
   ※mとnは、商品力や距離のウェイトを補正するための値

ステップ2
   来店客数=全ポテンシャル×自店の来店確率÷(自店・同業店の来店確率の総和)
   とすることで、自店の来店客数を想定することができます。

●メリット・デメリット
この手法は、論理的な整合性がきちんと取れているので、一般的に誰でも納得しやすいことが特徴です。もともと手計算では不可能な手法ですが、最近のコンピュータの機能向上に併せて、GIS(地理情報システム)などに搭載されていることが多くなりました。
問題点は、まず、集計する範囲を限定する必要があること、計算対象とする同業店を取捨選択しなければならないことです。これらについてあらかじめ基準を設けておく必要があります。
また、閉じられた範囲のポテンシャルを同業店と取り合う、というロジックですから、新業態の店舗や、需要創造型の業種の予測には不向きです。さらに、大型店の予測には説得力がありますが、小規模な飲食店などの予測では、その精度は著しく下がります。また、立地要因を加味しにくいため精度が上げづらいことも難点です。

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4.従来の売上予測手法 (4)重回帰分析法

この手法では、多数のサンプル(既存店舗)をもとに、理論売上げを算出するための多項式(モデル式)を作ります。多項式は、売上げ(目的変数)を構成する複数の要因(説明変数)と、それに対応する係数、定数項からなります。そして、統計的に処理することで、理論売上げと実績の誤差が最少になるように、要因を取捨し、係数と定数項(切片)を決めるのです。

●基本式
    理論売上=(要因A×係数A)+(要因B×係数B)…+定数項

●具体的な例
例えば、既存30店舗の売上げを目的変数にし、立地要因(ここでは「店舗面積」「交通量」「周辺人口」「競合店数」など)を説明変数にして回帰分析を行います。すると、立地要因それぞれに対応した係数と定数項が算出されます。それらを仮に、「3」「0.5」「0.1」「‐2」、定数項を300とします。
つまり、

 理論売上げ=店舗面積×3+交通量×0.5+周辺人口×0.1+競合店数×(‐2)+300

のような式(モデル)が作られるのです。この式さえあれば、その物件の立地要因をあてはめるだけで、理論売上げを算出することができます。

●メリット・デメリット
回帰分析自体はExcelなどのPCソフトにも搭載されている機能なので、PCの普及とともに、こうした手法による予測が一般的になってきました。
この手法のポイントは、統計処理するので、精度を数字で表現できることです(重相関係数や決定係数という指標があります。いずれも「1」に近づくほど精度が高く、「0」に近づくほど精度の低いことを表します)。また、データさえ揃っていれば、素人でも簡単にモデル式が作れることもポイントです。
しかし、大きな問題点もあります。
第1に、説明変数の選び方によっては、全く意味のないモデル式になってしまうということです。例えば「周辺人口」と「周辺世帯数」など、似たようなデータを入れると、どちらかの係数がマイナスになってしまいます。つまり、人口か世帯数のいずれかが増えるほど理論売上げが低くなるということですから、これでは意味がありません。
第2の問題は、説明変数の数が非常に限られるということです。理論上は「サンプル数−2」個までの説明変数を使って分析することが可能ですが(30サンプルの店舗であれば28の説明変数)、実際に意味のある説明変数は、そのうち2〜3個、多くても6〜7個でしかありません。
第3の問題は、本当に重要な立地の要因が、モデル式に組み込まれないことが、しばしば起こることです。
このように、重回帰分析法は、計算をコンピュータがやってくれるのでとても楽になりましたが、反対に分析者の洞察力が尚一層、必要とされるようになりました。立地の要因をどうやって数値化し、モデルに組み込めるようにするか、この見識が不可欠です。

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5.新しい弊社の売上予測手法 SORBICS法

この手法では、立地に関する多くの補正数式を蓄積し、その補正数式を用いることで、業種業態に影響されない、立地に特有のモデル式を作成するものです。

●基本式
    理論売上げ=([要因A]×係数A)+([要因B]×係数B)…+定数項
          [要因A]=補正された要因A

●メリット・デメリット
この手法のポイントは、経験則を数式化して蓄積しておくことで、サンプルが少なくてもモデルを作れることにあります。精度も従来の予測手法より高くなります。
もちろん、分析者の立地についての豊富な実績を必要とすることは、言うまでもありません。
 
6.売上予測とは何か?
■売上予測の定義
新規に店舗がオープンする前に、その店舗の売上げ(日商・月商・年商)がいくらになるかを、立地上の確かな事実を基に、論理的(できる限り科学的、できる限り統計学的)に導き出し、知っておくこと

■売上予測に期待されること
精度

■売上予測が成立する条件

1.業種・業態として、店舗のフォーマットが固定的に確率していること
  これを知る手掛かり
 (1)売上げの時系列変動
 (2)競合店出現時の影響度合い
 (3)業種・業態の目に見える変化

2.店舗が、極めて類似性の高い立地に出店配置されていること

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7.売上予測が初めから持つ不完全さと蓋然性(=確からしさ)

売上予測とは、
I.既存の店の商圏や立地などのデータ(以下ひとまとめに「立地データ」と呼ぶ)と、それぞれの店の実績売上げとの関係式をつくる
II.新規出店予定物件が見つかったときに、その物件の立地データを揃え、このモデルに当てはめ、理論売上げを試算する
という2つの手順で予測することをいいます。
すなわち、売上予測は、あらかじめ店舗の実績があることが前提となります。現在の売上げと立地データを基にした、「もし現在ここに店舗があったとしたら、○○円の売上げである」という推定です。
従って、「ここに建つ店は、将来、○○円の売上げが望める」という未来予測ではありません。未来予測をするのであれば、単に立地のデータだけではなく、(1)景気の予測、(2)チェーン店の新規商品導入計画、(3)テレビCMなどの計画、はては(4)店長・オーナーの店舗運営計画なども予想しなければならなくなります。立地の要因だけでは済まないのです。
特に(1)の景気の予測は、経済の専門家といえども手に負えないほどの難解さが伴います。未来のことは、残念ながら何人たりとも確かなことは言えないでしょう。
また、売上予測は、「加盟店主や店長の力量予測」でもありません。往々にして、「こんな所で」というような立地で高い売上げを確保している店舗があります。これは、加盟店主や店長の地道な営業努力が功を奏しているせいであると考えられます。とはいえ、こうした努力は、数値化が極めて難しいのです。どんな活動をどれだけやるといくら売上げが上がるかという具体的データが必要ですが、こうしたデータをきめ細かく集めることは至難の技です。
従って、売上予測は、加盟店主や店長がマニュアルに従い、通常の標準的運営(オペレーション)を行ったときの売上げを予測するにすぎません。

一方で、実際の売上予測では大きなパラドックスに直面することがあります。
それは、売上予測モデルをつくる際に起きます。一方で、分析にかけるデータやサンプルを増やさなければ、統計的な偏りが起きてしまい、確かさ(精度)が下がってしまいます。しかし他方で、データやサンプルが多くなればなるほど、分析する作業は膨大になってしまい、やり方によっては何が何だか訳が分からなくなるほど複雑化するというパラドックスです。
精度アップにはデータ量と分析量におけるパラドックスを解決しなければなりません。
そのため、当社では、モデルに使うサンプル店舗数は最低30店舗から70店舗としていますが、これは売上げを説明する要因を5ないし7くらいに絞っているからできることであり、本来はもっと要因があるので増やしたいところですが、今度はデータ収集に途方もない時間と労力が必要になり、現実的でなくなります(データ収集だけで3年もかかると言ったらだれも着手しないでしょう)。
常に、そうした現実的な制約の下で売上予測モデルを構築せざるを得ないということです。その意味で、売上予測はいつも不完全であることを余儀なくされます。
しかし、こういう売上予測でも、十分役立ちます。未来予測ではないにしても、極めて未来に近似することができます。加盟店主や店長の運営の力量は加味しなくとも、その予測売上げは、十分標準の売上げとして提示できるものです。もちろん、モデルをつくる上で、サンプルと売上予測コンセプトが十分練られていれば、もっと蓋然性(=確からしさ)をもった予測売上げを算出することが可能なのです。

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 統計データの活用について

1.人口や世帯数などが分かる「国勢調査」とは
2.商業の国勢調査と言われる「商業統計」とは
3.市区町村単位で統計データを収集するには?
4.町丁目単位で統計データを収集するには?
5.ピンポイントで統計データを収集するには?
6.パソコンで集計できる「地域メッシュ統計」とは?
7.地域メッシュ統計は、どのような手順で作られるか
8.メッシュ(1次・2次・3次・4次)とは
9.地域メッシュ統計のデータの知っておきたい特徴(按分・同定・秘匿)
 
1.人口や世帯数などが分かる「国勢調査」とは

〔概略〕
総務省が5年ごとに調査・集計・公表している法定調査です。
対象は、日本国内に在住しているすべての人です。外国人も含まれます(ただし在留軍人などは除く)。
10年ごとの大規模調査と、その5年後の簡易調査があり、その違いは調査項目数です。
最新調査は、平成12年(2000年)10月1日に実施され、大規模調査にあたります。
主な項目をくくると、総人口、年齢別人口、外国人人口、労働力状態、従業上の地位、産業分類、世帯数各種(世帯の種類別・人員別・家族類別・経済構成別・家計の収入の種類別・住宅所有の関係別・住宅の建て方別・他)、などです。
大規模調査のみの項目には、教育状態(小・中・高校などの在学者総数など)、利用交通手段、通勤通学時間、人口移動(5年前の常住地別5歳以上人口)などがあります。

〔立地や売上予測での活用〕
商圏内の人口や世帯数は言うに及ばず、年齢別人口、生徒・学生の在学者数、世帯人員別世帯数(1人から7人以上の世帯数)、持家世帯数、共同住宅世帯数など、指標となる項目がたくさんあります。
ただし、一般的に入手できるのは、都道府県別または市区町村別に集計されたデータです。これらは集計範囲が広すぎて、立地や売上予測に用いるには適しません。500m、1km、2kmのようにピンポイント範囲で集計できることが必要です。そのために、「地域メッシュ統計」が必要となってくるのです。
 
2.商業の国勢調査と言われる「商業統計」とは

〔概略〕
経済産業省が、商店の数や分布など商業全般の実態をつかむため、卸売業と小売業を対象に実施する調査です。5年ごとに実施されますが、その中間年(実施の2年後)にも簡易な調査が実施されます。調査対象は百貨店や大手スーパーから零細商店までを網羅します。商業の国勢調査といわれる所以です。
ちなみに、一般飲食店に関する調査も以前は行なわれていたのですが、92年を最後に打ち切られました。
直近では、平成16年(2004年)6月1日に、事業所を対象とした大規模な調査である「事業所・企業統計調査」、「サービス業基本調査」(ともに総務省)と合わせて実施されました。経費削減と記入者の負担を軽減するためです。
主な項目は、卸売業(商店数・従業者数・年間販売額)、小売業(同)、小売業(面積別・販売額別・売場面積別)、産業別(飲食料品・男子服・酒小売業・医薬品、化粧品・書籍、文房具など)、業態別(百貨店・スーパー・コンビニエンスストア・専門店など)となっています。

〔立地や売上予測での活用〕
国勢調査とならび立地や売上予測には欠かせない資料です。
中でも、「小売業年間販売額」は、"その地域で実際に人々が使ったお金"を表しており、実体のあるマーケット規模を示しています。
国勢調査と同様に、これも「地域メッシュ統計」に加工されたデータが役立ちます。

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3.市区町村単位で統計データを収集するには?

商圏だけでなく、商圏がある市区町村の人口や世帯数などのデータ、その推移も見ておきましょう。

●インターネットで調べる…多くの市区町村が、ホームページ上で公開しています。
●資料で調べる…よく知られているのは「地域経済総覧」です。週刊東洋経済の臨時増刊号で年1回の発刊。書店で購入できます(12,600円)。広範な統計データが収録されており、乗用車保有台数や医師数などの項目もあります。
 
4.町丁目単位で統計データを収集するには?

市区町村名に続く住所、例えば、○○市▽▽区のあとの『□□一丁目』などのデータのことです。

●インターネットで調べる…ホームページ上で公開している自治体がいくつかあります。当サイトの「情報ナビ」をご参照ください。
●役所で調べる…各市区町村の役所に出向けば、「住民基本台帳」を基にした集計人口一覧を入手できます。例えば、東京都の場合、「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」という冊子が500円です。
●専用ソフトを購入する…町丁目データの集計が可能なGIS(地理情報システム)があります。ただし、このソフトも町丁目データも、共に高額です。

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5.ピンポイントで統計データを収集するには?

調べたい物件やお店を中心として、その周辺の人口などの統計データを集計にするには、専用のソフトが必要です。市販されている「GIS(地理情報システム)」と呼ばれる専用ソフトと、当社の「統計てきめん」があります。

●GIS(地理情報システム)を購入する…各メーカーより市販されており、数十万円から数千万円のものまであります。多くの機能がある反面、おしなべて操作が複雑になります。専門家向けと言えるでしょう。
●当社の「統計てきめん2」を購入する…主に立地と売上予測に活用できる、誰でも簡単に操作できるよう工夫された"統計データの収集ソフト"です。集計・分布表示・分析と絞った機能、クリックだけの簡単操作、お求めやすい価格が特長です。詳細はこちらから
 
6.パソコンで集計できる「地域メッシュ統計」とは?

指定した範囲の人口などをPCで集計するには、電子データ化された「地域メッシュ統計」が必要です。これは、地域メッシュごとに各種の統計データを編成したものです。
「地域メッシュ」とは、日本全域をほぼ方形で面積の等しい小地域に細分した地域単位のことで、通常、基準地域メッシュといわれる3次メッシュ(1km四方)が用いられています。

ちなみに、総務省の平成12年(2000年)国勢調査に関する地域メッシュ統計トピックスによると、
・基準地域メッシュ数は全国で385,691です。
・うち人口の存在する基準地域メッシュは156,998あります。
・人口1万人以上の基準地域メッシュの数は全国で1,929、これらの地域メッシュの面積の合計は国土面積のわずか0.5%弱ですが、その定住人口の合計は約2,700万人で、日本の総人口の約5分の1が国土面積の0.5%の範囲に住んでいます。

さて、この電子データ化は、総務省の統計データの場合には「(財)統計情報研究開発センター」が行なっています。平成12年(2000年)調査分は、平成15年(2003年)に公表されました。

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7.地域メッシュ統計は、どのような手順で作られるか

総務省統計局の作成手順です。
地形図上に
地域メッシュ線を記入
2万5千分の1地形図(国土地理院発行)上に基準地域メッシュ及び分割地域メッシュ(2分の1地域メッシュ)区画を画定する
    ↓
地域メッシュ・コードを付与 地域メッシュを画定した地形図に、地域メッシュ・コードを付与する
    ↓
調査区地図上に
地域メッシュ線を記入
統計調査の実施の際に作成した調査区地図上に、地形図を参照して、地域メッシュ線を引き、地域メッシュ・コードを転記する
    ↓
調査対象の所在地を確認し、
地域メッシュ別に同定
各地域メッシュに含まれる世帯、事業所などの所在位置または調査区を、調査区地図上で確認して地域メッシュ別に対応付ける(これを同定という)。
    ↓
統計調査データとの
マッチング
地域メッシュ別に対応付けた世帯、事業所または調査区の番号をコンピュータに入力し、コンピュータによってこれらに対応する統計調査の結果データと付き合わせる
    ↓
都道府県別、
地域メッシュ別に
集計
コンピュータによって、都道府県単位に地域メッシュ・データを編集する。この場合、2県以上にまたがる地域メッシュは、それぞれの県別に地域メッシュ統計が作成されることになるので、これを更に足しあげて全国ベースの地域メッシュ・データを編集する
    ↓
結果表を作成 編集した結果は磁気テープ、プリント、マイクロフィルムなどによる数値データのみではなく、利用の多い項目については、統計地図の作成も行なっている

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8.メッシュ(1次・2次・3次・4次)とは

地域メッシュ統計のメッシュの段階は、次の通りです。
種類 画定方法 緯度の間隔 経度の間隔 一辺の長さ
1次メッシュ 東経100度、北緯0度を基準とし、各度の経線と、偶数緯度及びその間隔を3等分した緯線とで縦横に分割した区域 40分 1度 約80km
2次メッシュ 1次メッシュ区画を緯線方向及び経線方向に8等分してできる区域
(2万5千分の1地形図1枚と同じ範囲)
5分 7分30秒 約10km
3次メッシュ 標準(基準)地域メッシュとも呼ばれ、2次メッシュ区画を緯線方向及び経線方向に10等分してできる区域 30秒 45秒 約1km

分割地域メッシュというのもあります。
区種類 画定方法 一辺の長さ
2分の1地域メッシュ 基準地域メッシュ(3次メッシュ)を経線方向、
緯線方向に2等分して画定する
約500m
4分の1地域メッシュ 2分の1地域メッシュを経線方向、緯線方向に
2等分して画定する
約250m
8分の1地域メッシュ 4分の1地域メッシュを経線方向、緯線方向に
2等分して画定する
約125m
基準地域メッシュといわれる3次メッシュ(1km四方)は、日本全国を網羅していて、全国のデータが集計できます。また、都市部などの人口集中地区に限っては、2分の1地域メッシュデータ(これを通常4次メッシュデータと呼んでいます。)も公表されます。
ただし、国勢調査では、平成12年(2000年)調査分から、この4次メッシュ(500m四方)も全国を網羅するようになりました。つまり、国勢調査は、3次メッシュ(1km四方)でも4次メッシュ(500m四方)でも、全国どこでも集計できます。
商業統計の4次メッシュデータは、今のところ、都市部などの人口集中地区に限られています。
ちなみに、通常は、3次メッシュより4次メッシュを利用するほうが、集計の精度はアップします。これは「按分」集計されるためですが、詳細は次項をご参照ください。

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9.地域メッシュ統計のデータの知っておきたい特徴(按分・同定・秘匿)

●按分
ある地点を中心に1kmの円を設定し、その円内の人口を集計するとします。
その際、円内に100%含まれるメッシュのデータと、円内に100%含まれないメッシュの按分値が集計されます。「按分値」とは、そのかかっている面積に応じて集計されたデータ値です。これを「按分集計」といいます。あるメッシュに100というデータがあり、円が30%かかっていれば、30(100×30%)が集計されます。

つまり、メッシュ内での人口分布の偏りは反映されないのです。
ですから、実際に円内に住んでいる人々の数が集計されるのではないことを知っておきましょう。

●同定
地域メッシュ統計を作成する際、地域メッシュと調査区が違うため、データの属する地域(所在地等)がどの地域メッシュに対応するかを決める必要があります。これを地域メッシュへの「同定」と呼びます。
「調査区」は、統計調査を実施する上で、統計調査員の調査担当区域を明確にし、調査の重複・脱漏を防止するために設置される一種の小地域です。したがって、調査区は、統計調査の円滑な遂行を目的としており、結果の表章は福次的なものであり、不定形なのです。

たとえば、Aという地域メッシュに、7つの調査区が含まれているとすると、全部含まれる調査区以外は、その面積が最も多く帰属する地域メッシュに、その調査区全域が含まれるとみなします(面積同定)。
他にも、中心点同定、個別同定、所在地同定などがあります。
つまり、同定は、地域メッシュ統計の結果の精度に影響を与えるということです。

●秘匿
統計データは、「秘匿」処理されることを覚えておきましょう。
秘匿とは、
「氏名、商号、住所、電話番号、その他何人にも知りうるものを除き、調査事項または実施調査の結果知り得たものを原則として秘密とする。1または2の調査単位の内容が表示されるときは公表しない」ことです。(東京都総務局ホームページ/統計用語集より)

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